第157回 ~令和5年分 確定申告書の変更点~
九州福岡の税理士法人サムライズです。
確定申告時期に入って1週間が経過し、既に確定申告が完了した方もいらっしゃると思います。
今回は令和5年分の確定申告書の変更点についてご紹介いたします。
第一表に変更なし
令和 5 年分の確定申告書第一表は、前年 令和 4 年分の確定申告書から変更はありま せん。
全体を見ても、影響のある変更点が あるのは一部の人に限られています。
第二表の親族欄に変化あり
親族欄の「国外居住」の部分については、 〇印を書き込むようになっていた部分が、 配偶者以外の扶養親族部分について四角に 変更となっています。
◆この四角について
1.16 歳以上 30 歳未満又は 70 歳以上
2.留 学により国内居住でなくなった人
3.障害 者
4.生活費等の支払を 38 万円以上受け ている人
5.16 歳未満もしくは 2~4 に該 当しない人、という該当項目の数字が入り ます。
扶養控除を受けられない 5 以外に該 当する人については、親族関係書類や送金 関係書類等の添付が必要になります。
なお、 年末調整で扶養控除又は障害者控除の適用 を受けている場合は、源泉徴収義務者(会 社)に書類の提出や提示を行っているため、 確定申告時に添付は不要です。
その場合隣 の「年調」部分に〇印を付けます。
第二表のなくなった項目
令和 4 年分の申告書にはあった「住民税・ 事業税に関する事項」内の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」の欄 がなくなりました。
これは令和 4 年度税制 改正にて、上場株式の配当・譲渡所得等の 課税方式が、所得税と個人住民税で統一さ れたためです。
以前は配当控除の所得税・住民税の差異 を利用し、課税所得が 900 万円以下であれ ば、節税効果を期待して所得税は総合課税 で申告、住民税は申告不要とすることがで きましたが、
令和 5 年からは別々の申告方 式が取れなくなりました。
今後は課税所得 が 695 万円以下であれば総合課税申告がお 得ですが、以前と比べると差異はあまり出 なくなりますし、国民健康保険料等、税額 以外の要素にも注意が必要です。
その他の変更項目
青色申告決算書や収支内訳書については、 インボイス制度に対応した登録番号を記載 する欄が追加されました。
他には特定非常 災害に関連する損失の繰り越し控除期間の 延長等による第四表付表一の変更、納税地 の異動又は変更の届出書の提出が不要とな るなどの変更があります。
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