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第69回 ~営業権(のれん)の価値~

九州福岡の税理士法人サムライズです。

GWが明けて稼働日数の少ない5月は忙しくされている方が多いことと存じます。

事業承継のご相談は多く、経営と財産の承継をカスタマイズする仕事はとてもやりがいがあります。

日本には100年以上存続する企業が多い中、先代の想いと歴史を承継し、100年続く会社を目指すお客様と出会えるとテンションが上がります。

今回は、事業承継にまつわる話しで「営業権(のれん)」についてふれたいと思います。

昨今、後継者不在に悩む会社が社会問題化する中、M&Aは、会社を未来につなぐ原動力となります。

営業権(のれん)の実体は、おぼろで測定や評価には馴染みにくいものですが、取得した事業を開始したその日から収益を生み、事業の価値が顕在化します。

 

営業権(のれん)の3つの概念

営業権(のれん)は、3つの概念で説明されています。

(1)超過収益力説

ある企業が同種の事業を営む他の企業の平均利益より大きな収益を稼得できる場合、その超過収益力の原因となるもの。

(2)差額概念説

企業買収決定金額から時価純資産価額を差し引くことにより求められる差額。

(3)営業機会取得説

繊維工業における織機の登録権利、許可漁業の出漁権、タクシー業のナンバー権など法令の規定、行政官庁の指導等による規制に基づく登録、認可、許可、割当て等の権利取得のために支出する費用。

 

税法の資産調整勘定は、差額概念説

法人税法では、事業やその主要な資産、負債が一体として移転する場合に、非適格合併等により交付した対価の額と、移転を受けた資産、負債の時価純資産価額との差額を、資産調整勘定又は負債調整勘定として表示します。これは上記の差額概念説に基づくものと言えます。

売買交渉時の評価は見積価格

相手先から買収する価格は、資産、負債を時価評価するほか、買収後、一定期間の営業利益や将来収益の現在価値(DCF法)などで算定されることがあります。買収側は将来の期待収益にリスクを加味して交渉に臨み、少しでも高く売りたい売却側との交渉で決まった買収価格は、将来収益の見積りであることに変わりはなく、買収後の実際の収益とは異なるものとなります。

買収した事業の本当の価値は?

一方、買収した事業は、稼働したその日から収益を生み始めます。承継した販売先や仕入先との契約関係、移籍した社員のスキルや経験、長年かけて築きあげた取引先との信頼関係、業務処理フロー、情報共有ツールなどの一つ一つが収益の源泉となります。実際のところ買収した事業の価値は、収益を伸ばそうとする社員の動機付けや、既存事業とのシナジー効果を発揮させる経営者の手腕によって大きく影響を受け、本当の価値はそこで決まると言えそうです。

 

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