第11回 ~令和2年の年末調整紙の場合の変更点~
税理士法人サムライズです。いよいよ年末調整の季節となりました。
年々年末調整の用紙が複雑になってきており、書き方についての問合せが増えてきています。
今回は、その令和2年の年末調整紙の場合の変更点についてです。
とても長い名前になってしまった用紙
年末調整は、給与を受ける人それぞれに ついて、原則毎月の給与や賞与などの支払 いの際に源泉徴収した税額と、その年の給 与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続です。各種「控除申告書」を経理担当者等に出すことになりますが、去年は「給与所得者の配偶者控除等申告書」という名前だった用紙が、「給与所得者の基礎控除申告書 兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得 金額調整控除申告書」という、とても長い名前に変わりました。
なお、「給与所得者の 保険料控除証明書」に変更はありません。
基礎控除変更と所得金額調整控除新設
基礎控除は令和2年から、所得によって 減額が行われるようになりました。控除額は、所得金額(給与所得控除後の金額+給 与所得以外の所得額)が、
2,400 万円以下 48 万円
2,400 万円超 2,450 万円以下 32 万円
2,450 万円超 2,500 万円以下 16 万円
2,500 万円超 基礎控除は 0 円
に変更となります。
所得金額調整控除は、給与収入が 850 万 円を超える給与所得者で、
①本人・同一生計配偶者・扶養親族いずれ かが特別障害者
②年齢 23 歳未満の扶養親族が居る
①か②のどちらかの条件を満たしていれば(給与収入金額-850 万円)×10%=控除額となります。
なお、給与所得と年金所得の両方がある方は、確定申告で所得金額調整控除を受けられますが、年末調整は給与収入の税額の調整を行うものなので、この控除申告書では計算をしません。
電子申請の方が楽?
今年の年末調整は、国税庁が無料ソフトを提供している上に、会計ソフト会社等も、使いやすい年末調整・法定調書等の作成ソフトを販売しています。例えば国税庁のソフトでは、従業員入力を分かりやすくするために、最初に簡単な質問の「はい・いいえ」 で入力項目の絞り込みを行う等して、とても長い名前の紙の控除申告書の入力が必要 な部分のみを表示してくれます。